- 走査型X線顕微鏡は,集光X線と試料走査ステージ,検出器によって構成されたシステムで,試料を走査しながらX線分析(透過X線,蛍光X線,散乱X線など)を行うことで,様々な情報を可視化できます.
- 分解能は集光X線のビーム径で,感度は検出器の性能と集光X線の強度で決まるため,如何に微小で高強度なX線ビームを作るかが重要な点です.
- X線を集光させる集光光学系は,結像光学系よりもその構築の難易度が低いため構築しやすく,様々な検出器を搭載することで同時にいくつもの情報を可視化できます.ただし,試料を走査するので,短時間の測定には不向きです.
- ⇒開発した走査型蛍光X線顕微鏡の詳細
- ⇒走査型蛍光X線顕微鏡の観察結果
- 結像型X線顕微鏡は,結像光学系と照明光学系,X線カメラによって構成されたシステムで,試料像をX線カメラに結像することができます.
- 試料を走査する必要がないため,究極的には短時間の観察が可能です.一方で,結像光学系は複数の反射面が必要になるためその開発が難しく,ミラーの作製誤差やアライメント誤差で分解能は劣化することが多いです.
- アライメント問題を解決するために,楕円と双曲を一体にした一体型結像ミラーの開発も進めています.
- ⇒開発した結像型明視野X線顕微鏡の詳細
- ⇒結像型明視野X線顕微鏡の観察結果
- ⇒一体型結像ミラーを使った高分解能かつ高安定な顕微鏡の開発
- ⇒凹面鏡と凸面鏡を使った新しいAdvanced KBミラーの開発
- ⇒Advanced KBミラーを使った蛍光X線顕微鏡の開発
- ⇒ハイブリッド型AKB(AKB(I)とAKB(III))を用いたX線顕微鏡の開発
- ■X線ミラー
- 高度なX線光学系(集光光学系や結像光学系)を構築するためには,高精度なX線ミラーが必要不可欠です.X線は波長が短いため,形状誤差(設計形状からのずれ)は数nm(典型的な値として2nm程度)が必要となります.このため,基板を高精度に加工してミラーを作製するアプローチと,基板をアダプティブに変形させるアプローチの両方を研究しています.
- ⇒EEMを用いたミラー作製
- ⇒イオンビームを用いたミラー作製
- ⇒差分成膜法を用いたミラー作製
- ⇒圧電素子を用いた形状可変ミラーの開発
- ⇒Sub-10nm集光実現のための多層膜集光ミラーの開発
- ■波面計測技術
- 光学系の良し悪しを診断するためには,波面計測が有効です.X線光学系では,可視光を使った波面計測が難しいため,X線を使ったat-wavelength波面計測技術を研究しています.
- ⇒グレーチング干渉計
- ⇒ペンシルビーム法
- ■ビーム評価技術
- 光学系の良し悪しを診断するためには,ビーム形状を直接計測することも有効です.様々な方法を研究しています.
- ⇒ナイフエッジスキャン法,暗視野ナイフエッジスキャン法
- ⇒スペックルを用いたビーム径評価法
走査型X線顕微鏡(Scanning X-ray Microscope)
結像型X線顕微鏡(Full-Field X-ray Microscope)
その他重要な技術