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研究方針



○表面創成法への応用が可能な様々な物理・化学現象を探索・研究し、原子・分子レベルで精密に制御することを通して、原子スケールの表面創生法を開発します。 また、加工表面の原子スケール・ナノスケールの構造評価法や、電子・光学物性の評価法の開発を行うことで、大面積で原子スケールの構造制御を行う超精密加工法および装置の開発を行います。
そしてこれらの手法を基盤に、医学や生物学、創薬科学などの分野との連携・X線光学素子及び光学システムの開発・半導体デバイスプロセスへと応用展開します。

研究テーマ

1. 原子スケールの表面創成法 (Atomistic production technology)

表面創成法への応用が可能な様々な物理・化学現象を探索し、新しい表面プロセスの創出へと展開しています。このために、第一原理分子動力学シミュレーションやウルトラクリーンルームでの実証実験を通し、その現象を詳細に理解して高度かつ精密な制御技術を確立を目指しています。

1-1. EEM (Elastic emission machining)
1-2. PCVM (Plasma chemical vaporization machining)
1-3. 超純水電解加工 (Electrolytic machining in ultrapure water)
1-4. 触媒基準エッチング法 CARE(CAtalyst-Referred Etching)

2. 大面積におけるサブナノメートル精度の構造制御 (Giant-scale nanotechnology)

10mmから1000mmスケールの表面にサブナノメートル精度で任意形状を作り込む技術の開発を行っています。原子スケールで生じる現象を利用し、これを精密に制御して、サブナノメートル精度の具体的な物づくりを目指しています。

2-1. 大面積マイクロステッチング光干渉計(Microstitching interferometry)
2-2. X線多層膜形成
2-3. ラージスケールナノ精度転写プロセス
2-4. NC 犠牲酸化法

3. 半導体デバイスプロセス開発(Application to semiconducor device processing)

大面積にわたるナノスケールの構造制御技術により、次世代の超薄膜SOI形成法や半導体デバイス製造プロセスの研究・開発を行っています。

3-1. 次世代電子デバイス用超薄膜SOI(Silicon on insulator)の開発
3-2. 極端紫外光リソグラフィー用結像光学系の開発
3-3. 超純水電解加工法の銅ダマシン配線プロセスへの応用展開
3-4. ワイドギャップ半導体基板作製における高能率ドライプロセスの検討
3-5. SiC・GaN単結晶ウエハの高能率・高精度平坦化

4. X線光学素子・光学システム開発(X-ray optics and optical system)

サブナノメートルの精度で大面積の構造を制御する技術を駆使して、世界最高性能のX線光学素子を製作し、これを基にして世界に唯一のX線光学システムを構築しています。現在、SPring-8(理化学研究所)のオプティクスグループとの共同研究により、超高分解能走査型X線顕微鏡の開発や、超高分解能X線マイクロCTの開発を行っています。

4-1. 硬X線集光ミラーの設計・開発
4-2. 超高分解能走査型X線顕微鏡の開発
4-3. 超高分解能X線マイクロCTの開発

5. X線ナノバイオロジー(X-ray nano-scale biology)

医学や生物学、創薬科学などの分野と連携し、独自に開発した新しいX線光学機器の応用研究を開始しています。特に、生体細胞内の蛍光X線マッピングでは、これまでに知られていない新しい知見が数多く蓄積されつつあります。

5-1. 超高分解能走査型蛍光X線顕微鏡による細胞内元素分布の測定

研究施設・共同研究

Urtra Clean Room (UCR)

クラス1のクリーンルーム。実験するときはこちらに。クリーンウエアを着て実験。

Urtra Clean Facility (UCF)

2005年完成に完成したクラス1の新クリーンルーム。実用研究に近いものはこちらで研究。

SPring-8

研究内容の中で、X線光学素子・光学システム開発に関する研究は、理化学研究所X線干渉光学研究室との共同により行われています。研究に使うビームラインでは、コヒーレンシーや輝度において世界最高性能の硬X線を利用することができます。SPring-8へは、宿を取って泊まりがけで出かけますが、ほとんど寝ずに実験をします。世界最高性能の放射光を時間いっぱいまで使うため、これが当たり前なのです。もちろん交代制で、少しは寝れますので死ぬことはありません。  平成14年度に開発に成功し、硬X線の世界最小集光(90nm×180nm)を達成した走査型X線顕微鏡を活用して、ある哺乳動物の細胞内における極微量金属元素の分布を評価する応用展開を開始しています。Top Pageのgifアニメに登場する細胞内鉄濃度のマッピングは、本装置で得た実験データの一例です。物理と化学をベースに研究・開発を進めている原子レベルの表面創成プロセスを基盤に、X線光学分野での応用研究を実施し、さらにその成果を基に、医学や生物学、創薬科学を視野に入れたX線ナノバイオロジーへと研究を展開しています。

BL29XUL 1km長尺ビームライン

理化学研究所のビームラインです。理化学研究所 播磨研究所 X線干渉光学研究室
ウルトラクリーンルームで作製したX線ミラーや、開発した高分解能X線顕微鏡の評価を行っています。

SACLA X線自由電子レーザー

世界で2番目にできたX線自由電子レーザー(X線領域のレーザー)が使える施設です。
作製したX線集光ミラーを使うことで超高強度なX線レーザーを生み出し、今までにない物理現象の探索などの最先端の研究を行っています。

実験風景写真